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最近、驚くってのは、わかりやすく目にうつる奇想というよりも、わかりやすく目にうつっているはずなのに、今までは見てこなかった、そこで起こっていることに気づいた瞬間、みたいなものだなと、思い始めている。

思い始めている、と書いたけれど、思い始めたのは、ここ数年くらいあいだで、言葉で言えるようになってきたのが最近なのかもしれない。

奇想について驚く、といった反応は、その奇想の種類は異なるものだけど、その驚きの内実は、「これは見たことがなかった」という感想に落ち着いてしまう。自分の思考が変調するようなことは、そういった驚きの仕方だとあまり起こらなくて、むしろ、目の前にあるはずなのに気づかなかったこと、それに気づけたときの方が、驚きがある。驚きが残り、何かが変わる。